北アルプス縦走④

 

2014年9月14日  天気:晴れのち曇り

続いては五竜岳編で五竜山荘までの行動となります。そんで前ページでも伝えましたとおり"G4G5の難所" は特段危険と言える場所ではなく・・・まぁ岩場においては至って普通の道のように思えます。そして八峰キレット小屋前では誰もが青ざめる事故が発生しました。クサリ場は事故確率を上げてしまうものですが、実は"それら" を通り過ぎた後で事故が起きていることも忘れてはいけません。

・・・アクセスについて・・・

遠見尾根からのアプローチが一般的ですが、テレキャビンの営業時間+コースタイムが往復10時間を超える登山道(>_<) 大糸線の神城駅が拠点となり、テレキャビンまでは30分の距離。駅は信濃大町駅より8駅先。結果、五竜岳の日帰り登山は困難です(泣) 五竜山荘に一泊するのが五竜岳の標準設定かと思われます。鹿島槍ヶ岳からの縦走の場合は本編参照。どちらから攻めるにしろ1泊以上は必要ですね・・・

・・・所持品・・・

縦走の場合はグローブが絶対。忘れてしまった場合は岩で手を切ってしまう可能性を考えなければいけません。岩を触る機会が多いです。キレット小屋で水分をちょい大目の2リットル購入。休憩も十分に。ストックは岩場においては使いづらい。急なガレ場でストックを使う人がいましたが危ない危ない(>_<) 急峻な登山道がやや多い印象を受けます。落石から頭を守るためヘルメットがあると重宝します。

 8時50分 滑落現場の八峰キレット小屋

八峰キレット小屋で休んでいる時に近くから悲鳴が聞こえました。目を悲鳴の方に向けたら・・・「おい!滑落してるぞ!」の声が突然響き渡り、目の前を人がゴロンゴロンって転がっていきました。一瞬にして空気が凍りつきます。本当に人形の様に転がっていきました。なお運よく停止したことで被害は最小限(ズボンが切れただけ) となり被災者も無事。発生場所は平坦な道で片側は崖。油断して足を滑らせたとのこと。

 平坦と岩場のコラボコース

八峰キレット小屋から平坦+岩場のコースが続きます。崖の横を通ったりと高所を歩いていますが恐怖は別に感じませんね。サクサク順調に進めます。いや~天気が良いですね。

 角度のある斜面坂での渋滞


やべ・・・道間違えた。過去に使っていた道を間違って通ってしまいました。それでも最終的には本来の道に合流するので問題ナシ。だんだんと五竜岳からの登山者が多くなり+角度のある細い道+クサリ場が現れアチラコチラで渋滞が発生しています。下り時の際は落石を発生させないよう注意が求められます。

 9時35分 五竜岳山頂に雲がかかる!

鹿島槍ヶ岳から見た時は雲なんてなかったのに、時間の経過とともに山頂が隠されていく・・・

 現在の調子はヨシ!


天気も良いし、体調も良いし、不安要素なし!五竜岳から鹿島槍ヶ岳に縦走する登山者とのすれ違いが頻発しています。落石を発生させないことも大事ですが、浮石にも気を付けないといけません。

 9時50分 口ノ沢ノコル

標高2,416m地点です。ちょっとした広場になっていますので休憩するには丁度いい場所と言えますね。何名かの登山者が朝ごはんを作ってワイワイガヤガヤ。今日は本当に風が穏やかですな~(^o^)

 10時10分 北尾根ノ頭

標高2,560m地点で口ノ沢のコルから20分で到着。こちらもちょっとした広場になっていますので休憩にピッタリです。しかも遮る山が何もないので剱岳と立山の山脈が見れて退屈しません。縦走路の醍醐味と言えますね。黒部峡谷の下ノ廊下は・・・さすがに見えないか。

 ハシゴが出てきました

ちょい長めのハシゴ登場。危険ヶ所にはクサリとハシゴが常に設置されているので問題ありません。ただハシゴに乗り移る際の最初の一歩目で滑らないよう注意。右の写真はハシゴを通った際に撮った写真で渋滞発生中。急かされることはありませんから落ち着いて進みましょう。

 ★動画★ これからG4G5に向かいます

難所と言われるG4とG5エリアはもうすぐでしょうか?地図にはガレ場注意って書いてありますね。すれ違う登山者から情報を伺うと、「別に問題ないですよ」と言う返答がなかなか多かったです。

 最初は何て事の無い道

まずは小さい石が敷き詰められたような道の横断です。トレースがしっかり作られているので迷うこともなくスムーズにスタスタ歩けます。過去はここの道がハッキリしなかったため直登ルートが取られていたらしいんですが、その際は小さい石がネックとなって進む度に滑ったりして困難を極めたそうです。

 クサリがチラホラ出現してくる

難所の核心部に近付いた感じがします。ここら辺にもクサリが用意されていますので危険度は格段に下がっています。クサリをしっかりと握って先に進みます。対向者が来た場合はすれ違える場所をすぐに見つけないとお互い立ち往生してしまいます。くれぐれも左側の崖に落ちないように。この高さ、まず助かりません。

 11時05分 あっけないG5

G5に到着です。黄色い線がルートとなりますが、無理やりルートを作った道(つまり道が道にみえない) みたいなのでクサリ補助も万全態勢。なのでクサリを利用すれば普通の道。危険個所などありません。それにしても雲がだんだん色濃くなって消える様子がなくなってきましたね。う~ん・・・残念。

 G5⇒G4間は穏やかな道

G5を突破し、その後は緩い上り坂が続く道。実はG5の存在は通った後に他の登山者からの指摘で気付いたもので、岩に黄色のペンキで「G5」って書いてあったんですが(写真見直したら書いてあった) 完全に見落としてました。なのでG5の場所をG5って思わないまま、気付かないまま通ってしまったんです(汗)

 11時40分 G4ってドコにある?

長い縦に伸びるクサリ場。渋滞の起きやすい場所となります。下りの場合は落石に特に注意しなければなりませんね。ヘルメット推奨です。三点確保を確実に取りながら進んでいきましょう。G5を過ぎた後にG4があるらしいのですが、このクサリ場ぐらいしか大変な場所はないのでここがG4なんでしょう。

 キツい坂を登れば山頂までは少し!


山頂手前にある分岐点が見えてきました。ここで会った登山者と「G4ってどこにあったんでしょうね?」って話しで盛り上がりましたね(笑) 分岐点から山頂まではピストンルートになるのでザックを置いて空身で山頂に向かいましょう。ザックを置いてと・・・いや~本当に体が軽くなったよ(^o^)

 12時00分 五竜岳山頂

な~んにも見えません(泣)

百名山の登頂を叶えた登山者さん達が山頂でワインを飲んだりチーズを食べたりと盛り上がっていました。私もその輪の中に入ってワインやチーズを貰っちゃいました。同じ趣味を持った人通しの祝い事なんでワイワイと話せました。なんだか本当に貴重な体験と思い出が作れたなって実感しましたね。

 五竜山荘へ急ごう


五竜岳の先は東谷山尾根が伸びており、そこはルート開放がされていないので誤って進むと危険です。そういやぁ登山者の数が一気に増えたな・・・こりゃマズイ。早く到着しないとテントが張れないかもしれないぞ!山頂の写真を撮り終わったら続いて五竜山荘に急いで向かいます。意外に長いです。

 14時10分 五竜山荘に来たぞ!

おぉ~テント場が埋まっとる!これは本当にマズイんじゃないか?そう思って受付に尋ねたところ、道を完全に埋めないと言う条件のもとテント場じゃない山荘前の道も開放となりました。平らな場所を探してテントを早速張ります。今日も夜が冷えそうなので、エアーマットと寝袋を広げて防寒対策完了。我が家完成。

 腹がとにかく減った

500ml 缶ビールは800円で、カップラーメンは300円。疲れ果てたので自分で調理する力もなく、山荘に売っていたビールとカップラーメンを買ってお腹を満たします。シンプルな組み合わせですが、これが旨い!

 ガスが取れるのか取れないのか・・・

五竜山荘から五竜岳が本当は見えるんですが、今はこんな感じでガスが広がってしまい眺望ゼロ。雲の合間から見える稜線がスゴイってことだけはハッキリ分かりますが、やっぱり山頂を見てみたい。

 17時10分 夜ご飯の調理に取り掛かりましょう

山荘でまたまたビールを購入します。それとワインが売っていたのでそれも購入。このワインは渋みが苦手な方でも美味しく飲めます。しかもカップが一緒に付いています。そうそう、山荘スタッフが「山が好き、酒が好き」のペイントが書かれたシャツを着ていました。ちなみとそのシャツは五竜山荘の名品です(^_^)

 17時50分 突如現れた自然の神秘

調理中に「おい外を見ろ!」って声が聞こえたもんだから外に出てみたら・・・

雲の切れ目から太陽の光が入ると言う偶然の一枚です。この景色、臨場感が最高で本当に言葉を失っちゃいましたね。周りの登山者からも「おぉ~すげぇ~!」って声が聞こえ、私も含めたくさんの登山者が偶然の景色をカメラに収めていきます。

 18時40分 大混雑中の五竜山荘


山荘散策をしてみます。混雑率は最悪なようでザックが廊下にまで並んでいますね。食堂は3回転システム。布団1つに3人のようで、これじゃあゆっくり寝られないんじゃないのか?多少荷物が重くなってしまいますがテント泊が正解だったと思いました。特に混雑が予想される連休や季節時期の場合は尚更。

 18時50分 テントに戻ります

仁科三湖、大糸線の簗場(やなば) 駅方面の夜景。光がキラキラしてました。

ヘッドライトがないと他の方のテントペグロープに引っかかる恐れ(本当に見えない) がありますので、絶対に持ち歩くこと。19時前ですが気温は10度近くにまで下がり、風も冷たくなってきました。やっぱりテント場と山荘の距離って大事ですね~。ビールをたくさん飲んでも手洗場にすぐ行けるんですから(笑)

 明日はどうしようかな?

当初の予定は五竜山荘から遠見尾根を使って五竜スキー場に下山するルート。でもせっかくだし唐松岳にも行ってみたいって衝動に駆られたため急遽ルートを変更します。明日は唐松岳まで縦走して八方尾根ルートを使い下山をします。色々な方の登山HPを見て、八方尾根、一度は歩いてみたいと思っていたんです。唐松岳までは2時間30分。八方尾根の下山時間を含めても昼前には下山できるでしょう。

鹿島槍ヶ岳と五竜岳の縦走コースは特に難所と呼べる場所もなく、「これならクサリ場がたくさんある剱岳の方が危なっかしい」と言うのが私の感想です。ただ難所が無いと言っても崖やガレ場の道を通りますから油断は禁物ですぞ。明日は5時くらいに出発(4時起床) して唐松岳に向かいましょう。そうそう、ここのテント場はSB圏外。Docomo端末3G2本でした。それじゃあお休みなさい・・・zzz