大菩薩嶺①  2014年2月1日  天気:晴れ

天気さえ良ければ1月にあと数回登山をする予定でしたが、風や雨の影響で断念せざる負えない状況でストレスが溜まる毎日に。2月に入っても天気は依然回復されそうにないため、もう天候が悪くても向かっちまおうと言う気持ちが募る一方。天気予報をこまめに確認し、大菩薩嶺に晴れマークがついている日を"偶然"にも見つけたので、しかもテント泊も同時にしてしまおうと考えちゃったので一泊二日の工程を立てました。

 6時20分 JR八王子駅に到着

大菩薩嶺の最寄駅は「塩山駅」。山梨県の駅ですし特急電車で向かうってのが楽で簡単なんですが、なにぶん出発時間が早いため特急電車がまだ動いていないんですよね。そのため各駅電車に乗って塩山駅を目指すことになるわけで、八王子駅まで来たのは始発電車がここから動くって理由があるからです。6時35分発の松本駅に乗って塩山駅に向かいましょう。6輌編成で短いです。ホームの立ち位置を間違えないように。

 7時50分 JR塩山駅はちょい寂しい場所

各駅電車に乗って1時間以上の距離を頑張って耐えてきたけど少々シンドイ気分。なぜならば前日から一睡もしてないんです。座れたとは言え睡眠不足が祟ってかなりキツイゼ・・・(;´ρ`) やっとこさ塩山駅に到着しましたが、休日と言う事もあったせいか登山者の数がとても多いですね~。あ、そうそう、塩山駅の北口と南口にはコンビニは全くの皆無ですから食料は事前に購入しておきましょう。

 8時20分 大菩薩嶺登山口

塩山駅から登山口の間をバスかタクシーのどちらかで向かいますが、バスの出発時間にどうしても合わない!次は1時間後って言うんだから、ここはタクシー選択しか手はありません。片道で約3000円かかりますよ。そんで止まる候補場所はたくさんありますが、バスが限界まで来る「裂石」って場所で止まることにします。タクシーならもっと奥まで進むことができますが、3000円を超えると痛手になるので手前で下してもらいました。

 冬季閉鎖のゲートまで車道を歩きます


ここら辺のことを裂石って呼ぶそうですが、バス停留場の名称は「大菩薩峠登山口」ってなってますのでお間違えのないように。まぁ、ザック背負って裂石って言えばタクシー運転手は当然のように大菩薩峠登山口のバス停に止めてくれます。今回がまさにそうだったんで。ここから20分程の車道歩きとなりますが、準備運動にはもってこいの距離です。

 今回は丸川峠経由で山頂を目指します

今回で通算5回目となる大菩薩嶺。4回目までは上日川峠の大菩薩嶺最短ルートを選んできたわけなんですが、今回は1度も足を踏み入れたことのない丸川峠経由で進もうと馳せ参じてきました。コースの始まりは冬季閉鎖ゲートの前にある駐車場からで、ここから丸川峠へのルートが伸びています。注意点として駐車場の前にアイスバーンが出来ていること。車がスリップしている光景を3回見ているので通る際は要注意です。

 8時55分 今回は丸川峠経由で山頂を目指します

スタート地点から雪の登場だったんでアイゼン装着で歩き始めたんですが、今度は突然雪が消えてなくなりアイゼン不要に・・・(o´Д`) アイゼンの装着って手間がかかるんで、それを外すとなるとこれまた手間で、結構精神的に萎えるんです・・・。皆様も歩く際には先の先まで見渡してから取り付けて下さい。あ~初っぱなから気分ダウンです( ´△`)

 雪道が出てきた!と思ったら無くなった・・・

雪道が出てきたと思って歩き続ければ雪が消えて無くなるし、2月だから寒いと思って厚着して歩いてみれば暑くて蒸れてくるし・・・なんなんだ2月1日と言う日は(#`Д´) アイゼンはザックの中に完全に入れてしまい、アウターもついでに1枚脱ぎます。現在の気温は冬山に似合わずの4度で暑い暑い。丸川峠への道はなかなかの坂道ですので焦らず一歩一歩進みましょう。それにしてもザックが重い・・・

 11時00分 丸川荘にやっと到着

突然平坦な道に変わったと思ったら明らかに違う雪道と変化してきましたね。まさかまさかと進んでみれば丸川荘に到着していました~。今から思えばここまでの道が一番大変だったかもしれない。丸川荘に到着し軽めの昼食を取ります。結構バテバテに近かったんで大変だった。

 疲労がメチャクチャの中で記念写真

「記念写真撮りますよ」って言われたので撮ってもらいましたが(ありがとうございます) 、疲れが溜まったせいか笑うのがこんなにも苦しいことだったとは・・・(苦笑) 今日のザック積載量は17kg超えですから、これは堪らないね~(汗) 丸川荘は本日宿泊者がいたようでオーナーが中でワッセワッセと作業をしていました。

 11時20分 山頂目指して出発します

丸川荘から大菩薩嶺に進むルートは小屋の右側から伸びていますので間違えないように。ここから本格的な雪道になっていますので、ここでようやくアイゼン装着に取り掛かれます。そして!ようやく!楽しい登山になりそうじゃ~ん!トレースも完璧なのでラッセル地獄はやらずにすみそうです。

 12時05分 ようやく大菩薩嶺の山頂が見えた

アイゼン装着をしても雪道は雪道なりの苦労が待っています。まず隠れた岩が見つけられないために思わぬ場所で引っかかって転ぶ。油断するとアイゼン同士が引っかかって転ぶ。雪がアイゼンにくっついて団子を作ってしまって足取を重くする、など。そんな苦労を耐えながら山頂を目指すこと40分。まさかとは思いましたが、木々の間から見えている山に向かうんじゃ・・・(疲) 結構な標高だぜ、あれ!

 最後のひと踏ん張り!

まさかとは思いましたが、そのまさかの山に今登っています。斜度は決して強くはないんですが、坂道が延々と続いているため休憩するタイミングがなかなか掴めづらく体力的にもキツイの一言です。それでも懸命に努力(笑) して、ようやく稜線っぽい場所に出てきました。あの先・・・もしかして山頂か!?

 12時45分 大菩薩嶺に到着です!

やったぜ!山頂だ!三角点が雪に埋もれかけている(笑) この様子から見ると積雪30cmってところでしょうかね?大菩薩嶺の山頂は見ての通りの木々に覆われている場所でして展望眺望は残念ながら無理です。山頂には誰もいなかったので山頂の標識を記念写真に収め、今度は大菩薩峠を目指します。

 12時55分 まずは雷岩って場所に来ました

丸川峠から進む場合、木々に覆われた世界は雷岩で終焉となり、ここから先は眺望が見られる世界へと変化します。と言うくらいの眺望展望ゼロのコースでしたね。唐松尾根から登ってくる登山者や、大菩薩峠から向かってきた登山者が雷岩で合流し、なんだかんだで20人ほどの集まりになってました。

 大菩薩峠に向かいます


太陽の直射日光を浴びているのに雪はしっかりと残っています。4月になるとこれが完全に溶けてなくなってしまうようです。大菩薩峠へは岩が露出している場所もあるのでアイゼンで下降する場合は岩が爪に引っかからないように注意して下ります。まずは賽ノ河原避難小屋が見えてきました。

 13時40分 やっとのことで大菩薩峠に着いた

大菩薩峠に到着しました。介山荘は完全に閉まっていましたので、今日は宿泊者はいなかったようですね。この大菩薩峠と言う言葉、中里介山作の長編小説の題名にも使われた言葉で未だ未完作となっています。その中里介山の名前を受け継いだのが介山荘で、そう・・・大菩薩峠のそばに建つ山荘の名前です。なんだか時代の面影を感じる場所ですね。

 ではでは上日川峠へ参りましょう


トレースが完璧に作られていて怖いモノなしの状態です。アイゼンの利きも良く最高の気分で歩いています。本当ならここからも富士山を見ることが出来ますが、今日は全体的に霞んだ空で雄大な姿は拝めません。残念な気分ではありますが、まぁ気にしません。

 14時05分 まず福ちゃん荘に到着

福ちゃん荘は宿泊者がいらっしゃたようでオーナーさんが宿泊の準備をしていました。私は炭酸飲料を飲んでスカッとしたかったのでラムネを購入して一気飲み。喉が痛かった・・・(;´ρ`) ここで山ガールの方お2人とお会いして互いに登山の話しで盛り上がりました。アルプス山脈にたくさん登っている本格山ガールの方、ライターさんで初めて雪山登山に来た山ガールの方、色々お話し出来て楽しかったです( ^∀^) 

 15時00分 次にロッヂ長兵衛に到着

ロッヂ長兵衛と福ちゃん荘の2箇所しかテントを張ることが出来ませんので、今回どうしようかと散々迷ってロッヂ長兵衛を選択しました。大菩薩峠登山口に近いですし、雨が降ってた場合に屋根付きの休憩場所に逃げ込めるってのが最大の選択理由。すでに一張りテントが組まれてますね。それ以外にテントが張られている様子はないな。

 15時10分 まずは整地作りから取り掛かりましょう


スコップがあれば整地は簡単ですが、私のようにスコップが無い場合は足を使って雪を圧縮させ整えていくしかありません。テントが入る大きさ+α程にスペースを確保し、次に周囲10cm程の溝をさらに掘っていきます。冷たい空気は下に溜まる性質ですのでテント泊を快適に過ごすためにやって損はない作業です。溝が無いと冷気がテントの中に入ってきますよ~

 続いてテントを組み立てます

整地が終わったら次にテントを組み立てていきますが、パイプ式のテントを組み立てる際にパイプの中に雪が入らないようにします。翌朝に雪が氷に化けてしまいパイプの付け根部分が強力に凍結して外せなくなってしまう問題が発生してしまうんで。気を付けながら組み立ていけば我が家の完成です。

 積載17kgになった本当の理由

テント泊を少しでも充実させようと担ぎ上げた飲料と飲食と機材でトータル6kgは増えていると思われます。テント泊の本当の楽しみ方は、自分がこれまで密かに考えていた最大の楽しみ方を実践すること!私はビールを飲んでカレーを食べてサラダも食べてデザートも食べて、とにかく「食った~」って気分になることです(笑) 決してストレス解消のために考えた訳ではありませんよ( ´∀`)/~~

 テント泊楽しんでますぜ~!

夜ご飯は「アルファ米のご飯」に市販で売られている「カレールー」をかけてカレーライスといきましょう!サラダも用意して一人豪快に夜ご飯を楽しみます。寒い体に温かい食べ物、お腹が減ってクタクタになった時に食べる食事、食べ物がこんなにも美味しいモノだったとは・・・と気付かされる瞬間です。デザートは焼きプリンを食べながらコーヒーを飲む至福の時間を過ごします。時間を贅沢に使っている私です(笑)

 19時40分 明日に備えて就寝

テントからこぼれるランタンの光が温かいですね。夜の気温は氷点下2度で決して寒くない気温であり、風も全くなく快適そのものです。時間が有り余っていたので外を歩いてみたら星空が綺麗なこと。天の川との境目がハッキリ分かるほどの快晴の夜でしたね。街の夜景は空が霞んでしまって見ることは出来ませんでしたが、今日は星空が見られただけで満足です。

今日の最低気温は氷点下3度で意外にも過ごしやすい環境です。風がなかったからかな?とは言えインナーとアウターを5着着込んで#2の寝袋をかぶりますが、地面からの冷気が防ぎきれず体温が奪われている感じがして妙に寒い。ホッカイロも使用しましたがさずがに冷気には勝てない状態。エアーマットを敷いてどれだけカバーできるか試しましたが、結果はまずまずって感じですね。ワカン必要なかったな~