ワカン装着方法

ワカンはラッセルの軽減を図り機動力を上げるための道具です。アイゼンのようなトゲトゲはありませんので途中で氷道に出くわしたらなかなか面倒。豪雪地帯や降雪後の道はトレースが消えていたりしてラッセルせざる負えない状況がたくさん出てきますので、そういう時にワカンがあると重宝しますね。でも世に出回っていることは確かなのに、ワカン装着方法の説明サイトがあまり見かけないのはナゼだ?

【注意】この装着方法が絶対に正しいと言うワケではありません

 馴染みが薄いかもしれませんが、これがワカンです

ワカンにもMサイズLサイズがありますが、靴の大きさで判断すると26cm以上がLサイズで26cm未満だとMサイズと言われています。Lサイズは面積が大きい利点を活かして埋もれにくくなりますが反面歩きにくくなってしまい、Mサイズは逆に小さいので歩きやすくなるんですが反面埋もれやすくなる・・・と言ったり色々メリットデメリットがあります。とは言っても本当に微妙な違いです。私はLサイズを購入しました。

 右足用と左足用を間違えないように

ワカンにも当然のこと左足用と右足用がありますが、「これが左足用です」と律儀に書かれてはいませんので止め金具の場所で判断するしかありません。止め金具は必ず外側に向けて下さい。装着方法の説明には右足靴を使っています。

 最初に靴のヒールを合わせます

これから装着手順に入ります。まずは登山靴のヒール部分を仮固定しましょう。止め金具のある側が後方(かかと) となり、そのひもにヒール部分が当たるような感じで取り着けます。購入時より金具の位置やひもの長さはデフォルト状態で靴にピッタリ合うようにされていますので、基本調整は不要です。

 前方の輪っかにひもを通します

その止め金具から伸びる長いひもを左上にある輪っかまで移動させ、ひもを写真のように輪っかの外側から内側に通すようにして装着していきます。

 ひもの通し方に少し工夫をしています

続いて右の輪っかを通しにかかりますが、ここでちょっとした工夫をしています。外側から内側にひもを通すことで金具の部分にストッパーがかかるようになり、ちょっと手を緩めたりすると全体のひもがたるんでしまう・・・なんてことが、幾分これで解消されます。まぁほんのちょっとした工夫です。

 後方の輪っかにくぐらせます




ワカンも種類が多いですが、どのワカンも大方この一連の縛り方で通用すると思います。ひもを靴の上でクロスさせたら今度は靴の左側後ろにある輪っかの中に通していきます。ここも外側から内側に通す感じで装着していきます。たるみが出ないように少しきつめに引っ張っておきましょう。

 次がワカン最後の手順


ラストは止め金具に通す作業のみ。写真のように口を開けておきます。


ひもを止め金具まで移動させ、次に口の中に通して金具を噛ませて固定させます。


長いひもがジャマにならないように奥にある四角い輪っかに通しておきましょう。


止め金具に噛ませた後は徐々にひもを引っ張って緩みがなくなるように調整していくわけですが、きつめに縛り付けて足の血流を悪くさせないように注意して下さい。簡単な説明となりましたが、これでワカン装着手順は終了です。これもアイゼン同様にグローブを着けた状態で装着できたらGoodですね。

スノーシューもラッセル対策に有効ですが、ワカン以上に面積が大きくなってしまうので、使う場所を間違えると樹林帯の中では木にぶつかったり、坂道の多い山では足を持ち上げるのが大変になったりとデメリットしか生まれません。例外は別として、ワカンならほとんどの山での使用が可能となるわけなので、降雪後の筆舌に尽くしがたいラッセル地獄を少しでも緩和するために早めに用意しておきたいところです。

-注意-

上記の締め方で実際に歩くと分かりますが、靴がワカンからズレることがあります。理由の1つは締め方が甘いと言うことと、もう1つはワカン本体から靴まで伸びるひもに余分な弛みがあることです。もしかしたら他の要因があるかもしれませんが、本番にズレるとどうしようもないストレスが溜まってしまいます。練習で一回縛って頂き、靴とワカンがまずズレないかどうかの確認を行ってから雪山に向かって下さい。