富士山  2005年8月8日  天気:晴れ

「富士山から見たご来光は素晴らしい」と言う情報を見つけ、その情報を見てから私も富士山に行きたくなってしまいました。土曜日と日曜日を使った連日登頂計画です。登山道は決して険しくはなく、随所に山荘があって安心。そんなアバウトな情報を片手に持って行ってきたわけですが、夏の山と侮っていた私を富士山は見事なまでにボコボコにしてくれました。ある意味史上最悪の登山です。完全単独登山!

 4時25分 ご来光間近ですよ~

夏山と完全に侮っていた私に最初の関門。ご来光を待つだけになった私に気温4度、風の影響で体感温度マイナス2度と言う地獄が襲います。歯がガチガチ鳴って止まりません。全ての着替え、アウターを着込んでもダメです。もう完全に装備不足でした。そんな究極的な状況のまま、かれこれ4時間は耐え抜きました。低体温症の一歩手前ってところで、これを過ぎると昏睡状態に陥ると後から知りました。危なかった・・・

 5時00分 来たよ来たよご来光!

寒さも落ち着き、ようやく体の震えがなくなってきました。そうして来たぜ来たぜ!ご来光!太陽が顔を出しサンシャイン(日光) がパッて輝いた瞬間!周りにいる登山者の方から「うぉ~すげ~!」「きたきたキター!」の大きな声が飛び交います。私も隣の方とハイタッチ。みんな大興奮です!この時ばかりは見ず知らずの人とも打ち解けあったかな?って言う心境。

 5時10分 富士山頂上 山口屋

暗かったから全然気が付きませんでしたが、山口小屋の周りにはたくさんの登山者が集っています。すさまじい数の登山者です。あの中に巻き込まれていたら渋滞は必至、時間のロスは相当なものだったでしょう。出発時間を早めにしたとか、歩くスピードの速さとか色々な要因があったんだと思います。それと引き換えに極寒の4時間待機・・・(;´ρ`) 富士山の登山者は半端ないですね~

 5時25分 雲海が目の前に!

お鉢巡りをしながら下界を見下ろすと、おっと、今度は雲海が広がっているじゃないか!写真で見るとスケールが全然伝わらないのですが、実際に見た時はそのスケールにただただ唖然。周囲からも、「ほら雲海が出ているよ!」「朝に来て正解だったな!」なんて声が聞こえてきます。確かに正解です(^_^)

 6時00分 影富士参上(笑)

天気が良くなければ絶対に見られない影富士まで出てきました。富士山の背後に太陽が入り込んでいるため、富士山の前方には影が出来ています。綺麗なコニーデ型の影ですね~。今日はご来光、雲海、影富士と滅多に見られない光景のオンパレードに嬉しさが爆発。

 6時30分 下山開始です

3776mに無事登頂。山頂は山頂で大渋滞でしたね。残すは下山のみとなります。河口湖口方面への下山路は上りとは別の道が用意されていて、上りのような岩ガクガクではなく完全に砂地を歩くコースとなります。砂が乾いていると歩くたびに砂煙が舞い、それも激しく舞い!マスクがないと鼻や目の中に入って苦しい思いをします。タオルで顔を隠すなどの処置が必要ですね。

 8時10分 吉田口五合目が見えてきた

他の登山者をどんどん追い抜いて2時間ほどでスタートの河口湖口五合目に到着です。下山時は太陽が完全に上がっているので今度は暑い暑い!夜明けの寒さからガラリと変わり本当に暑い!すさまじい両極端の世界です。寒さ対策だけでなく、暑さ対策も重要です。水分はたくさん持っていきましょう。

 9時00分 河口湖口五合目

山頂はあんなに晴れていたのに五合目に着いたらこの曇り空。五合目到着時に近くの売店の前で店員さんから紙切れを貰いました。お茶と和菓子1個の引換券でした。疲れた体に甘い和菓子は本当に癒される。お茶も美味しく頂きました。帰りのバスの時間が間近に迫っているので簡単にお土産を購入しバスに乗り込みます。疲れがドッと出たようでバスの中では爆睡。

教訓その1⇒マジ寒い

教訓その2⇒マジ混雑

教訓その3⇒マジ暑い

みんなマジレベルです。夏の山と思って軽装備で登るとしっぺ返しがきます。また登っているときに「オキシガン(酸素) 下さい」、「水を下さい」、「動けなくなってしまい・・・」などを言う登山者がいました。体調の異変や高山病の症状が出ている方も多かったので、やっぱり侮れない山です。挑戦する際は、まず体調管理!そして寒さ対策!暑さ対策!もうこれに尽きます。