富士山②  2010年8月8日  天気:晴れ

富士山を登ること数時間。これまで単調な上り坂だったのが八合目辺りで急に変化します。岩場が露出する登山道に変わり坂道も多発。周りを見れば、渋谷でも絶対にいないだろうと思える数の人が富士山の山頂を目指して登っています。大渋滞の発生です。山荘からも、ご来光を見ようと登山者が続々出発し始め大渋滞に拍車がかかります。毎回この渋滞には頭を悩ませてしまうんですよね。

 0時50分 八合目太子館

河口湖口から山頂まで続くルートは山荘の数も比較的多く、それに応じて登山者の数も多いワケです。標高3100m、結構上まで上がって来ましたが登山者の数は増える一方。当然山荘の前も渋滞が発生してなかなか前に進めません。ここら辺から八合目の看板が至る所に出てきてどれが本当の八合目なのか特定不可。

 重装備に着替えます

かなり寒い!アウター、ダウン、ウインドブレーカー、着込めるだけ着込みます。単調に登って行くだけなら体も温まるし多少着込まなくても大丈夫でしょうが、ここは渋滞のメッカ。立ち止まると体が一気に冷えます。

 2時30分 胸突き八丁

紛らわしいことに「八」と着く名称が八合目と胸突き八丁で2つあります。感覚的には八合目が2つあるって感じでしょうか?この胸突き八丁は前回もそうでしたがなかなか苦しい道なんです。標高を一気に上げて直登させる感じです。あ~来ちゃいましたね、とうとう。

 胸突き八丁攻略

急な上りもあって息が少し切れてしまった(´д`) 呼吸を落ち着かせましょう。こんな所で高山病にかかるととてもマズイ。そして来ました渋滞のピークです。全く動きません。見下ろすとライトの明かりが続いています。どれほどいるんでしょうか?数える気にもなりませんが、ただただ多いのだけは分かる!

 4時20分 東の空から光が

日の出の時間が迫ってきました。残念ながら渋滞にはまってしまい目標の9合目まで辿り着かなかった・・・他の登山者も諦めムードでその場に立ち止まり休憩の態勢。もう列は動かなくなりました。太陽が顔を出すまではジッと待つだけなので、ここで寒さを甘くみていると結構なダメージを受けてしまいます。

 4時50分 ご来光!

太陽が徐々に顔を出し、とうとうご来光の瞬間となりました。周囲から拍手と喝采が飛び交い、下を見ればバンザイをしている方がいたり、上を見れば何かのアクション芸をやっている方がいます。喜びの表し方は人それぞれです。待っている間はとても寒かったでしたが、ご来光の瞬間だけは寒さを忘れてしまいました。

 上まで登ります


ご来光を見た後は山頂に立って記念写真を撮るだけとなりますが、まだまだ渋滞に中に揉まれそうですね。この行列が精神的な疲労を起こすのでタチが悪い。富士山が嫌いって言う方の最大の理由がこの渋滞なんですよね。みんなヘトヘトな感じで登っていましたよ。そして9合目を通過。

 6時00分 富士山頂上浅間大社奥宮の石碑

9合目を過ぎ、そして白い鳥居を過ぎれば渋滞とはサヨナラです。その近くにあった石碑に「山頂」って文字が刻まれているのですが、山頂はまだまだ先なので意気消沈しないようにしましょう(笑)

 山口小屋までなんとか進んでこれた

飲食が出来る小屋ですが宿泊は出来ません。ここでラーメン(400円) やカレーライス(800円) 、牛丼(1200円) などが食べられますが、全てのメニューで量が少なめに調整されているので割高価格になっています。自動販売機で普段見かける小さい缶コーヒーは600円、500mlの水は500円と凄まじい山料金ですので、買う時は一大決心の上で。小屋ではキーホルダーやペナントなど小物が売られていて大混雑(汗)

 山頂の火口部は深い深い

富士山の火口ですが、火口内部の写真を撮ってもペタンとしたよく分からない写真になってしまうのでカット。そして、前方に見える施設が富士山の頂上である剣ヶ峰。富士山の火口の底に大内院って場所がありますが(施設があるかは不明) 237mも下にあります。また本来足を踏み入れてはいけない場所なのですが、冬になるとスキーヤーが無断で勝手に下りてしまうこともあるのだとか。しかもyou tubeに載っていたり・・・

 お鉢めぐり開始です

富士山には火口の淵をグルリと1周出来るコースが作られており、剣ヶ峰は山口小屋から見事なまでの真反対の場所にあります。つまりまだ歩くわけで、これまでの登頂の疲労や時間の余裕の無さから剣ヶ峰の挑戦を諦めてしまう登山者が続々と出てきます。私たちは山頂を目指すのが目的なので当然のこと剣ヶ峰を目指します。ルートは時計回りと決められていますが、別に逆走しても怒られません。

 7時40分 浅間大社奥宮で記念写真


浅間大社奥宮で御殿場口と富士宮口のルートが合流し登山者の数も一気にUP。浅間大社奥宮も大いに賑わいを見せています。裏手に回れば剣ヶ峰がさらに近くに見えるようになり、3776m地点に近付いてきた感がさらに沸き起こります。でも山頂手前の急坂が行く手を阻みます。

 最後の上り坂 馬の背を攻略中

お鉢巡りの中でも最も大変な場所、それが「馬の背」と呼ばれるこの坂道です。急斜面で滑りやすいので、ここを下山路して使う場合は注意する必要があります。疲労も蓄積され頭が上手く働かない状況ですので、転んで捻挫、最悪骨折などしたら取り返しがつきませんので。

 とうとう3776mを制覇

「IMA氏」の渾身のTシャツ姿は私たちだけでなく、順番待ちをしていた他の登山者も驚きの世界に変えてくれました(笑) だって今の気温8度だぞ!冬の気温ですぜ。一同唖然です。そんなこんなで無事に山頂に到着、3776m制覇となりました。今日もそうでしたが記念写真撮影の順番待ちはとにかく時間がかかりますので、山頂に向かう方は時間にゆとりのある工程を組んだほうが絶対にいいです。

記念写真待ちに1時間かかりました~。この石碑から歩いて1分の所に展望台があるとのことで寄り道してみましたが、老朽化が目立つ何とも怖い感じの展望台。南側を望む景色なので太平洋が広がっています。展望こそは良いモノの、ちょっと行くのに躊躇いがありますね。次に来た時には取り外されているかもしれません。後日談ですが、その展望台は今は立ち入り禁止になっているようです。