北アルプス縦走③ 

 

2012年10月9日  天気:晴れ

4時起床、天気も良好、太郎平小屋で朝食を食べて元気を付けます。今日は太郎平小屋から北ノ俣岳、黒部五郎岳を経て三俣山荘に向かう約10時間のロングコースとなっており、本来ならばコース半ばにある黒部五郎小舎に宿泊するのが望ましいのですが、今年の営業はすでに終了となってしまったので、無理やりにでも三俣山荘まで進まないといけません。ここでつまずくと予定が狂います。

 6時15分 太郎平小屋を出発

5時30分に太郎平小屋を出発。ちょうど日の出のタイミングでした。太陽の光を浴びながら赤く染まる鷲羽岳と水晶岳がとても奇麗で、これを写真に収めようと何度もチャレンジしたのですがピンボケばかりでダメ。他の登山者の方と最後の挨拶を交わし、私は一人黒部五郎岳を目指します。左の写真は振り返った時のモノ。風がヒンヤリしてとても気持ちいいです。

 森林限界

標高は2000mを超えています。森林限界に突入しているので短い草ばかりが目に入ります。今は高山植物の咲く時期ではないですが、夏だとハクサンイチゲなどの高山植物が群生する場所へと変わります。

 雷鳥!

ハイマツが群生する場所を歩いていたら雷鳥が横から飛び出してきました。初めての雷鳥に大興奮の私(笑) 噂に聞いていた通りで全く逃げようとしません。こちらが一歩進めば雷鳥もその分前に進み、まるで人間との距離を測っているように見えます。でも最後は雷鳥を素通り。 

 7時50分 北ノ俣山頂

神岡新道の分岐点を素通りし、スタートから約2時間で北ノ俣岳に到着しました。遮る物が何もないので、昨日登った薬師岳や、これから登る黒部五郎岳など360度の展望が望めます。そして、素晴らしい景色が望めるこの道のコトを、西銀座ダイヤモンドコースと呼んでいるそうです。

 槍ヶ岳と黒部五郎岳と笠ヶ岳

尖った槍ヶ岳が奥に見え、手前にはのぼ~っとした黒部五郎岳が見えます。

写真中央に映る左右非対称の山が笠ヶ岳で、最初、笠ヶ岳がどの山なのか分かりませんでした。黒部五郎岳から右に目をズラすと笠ヶ岳が出てきますが、槍ヶ岳と黒部五郎岳、そして笠ヶ岳が一緒になった写真がどうしても撮れなかった!デジカメでパノラマって撮れるのか?

 8時30分 赤木岳

赤木岳はゴツゴツした石が集まった山で、山頂を踏まずに山に沿って歩くのが本来のコースになるのですが、これをあえて登ってみたいと思います。ゴツゴツした石には注意が必要ですね。山頂からは黒部五郎岳の姿が大きく写りますが・・・でもまだ距離はありそうですね。

 10時15分 黒部五郎岳の麓まで来たよ


黒部五郎岳の手前にあった小ボス的な山も意外に大変で、何度ものアップダウンを繰り返しているうちに相当な疲労が溜まってしまいました。いよいよ黒部五郎岳に挑戦となりましたが、すでに疲労感バッチリ(汗) この道も石がゴロゴロして危なっかしい。疲労の色が隠せない。

 10時50分 分岐点

黒部五郎岳の頂上と黒部五郎小舎へ続く分岐点に到着!ちょうど山頂から下りてきた年配の登山者の方がおりまして、ここから山頂までは20分程かかることを伺いました。山頂まではピストンするだけなので、もうザックを置いて行っちゃいましょう。15kgの重りが抜け超楽々!

 11時10分 黒部五郎岳登頂!


どこに山頂があるんだ~と、歩いて歩いてようやく山頂を発見!眼下には黒部のカールが広がっており、自然の素晴らしさが堪能できます。南側は雲に隠れてしまって何も見えず。カールの奥に赤い建物が小さく見えますが(写真には写っていません) 、そこが黒部五郎小舎。登山道を辿って小舎までのルートを確認しますが、その距離の遠さと言ったら唖然の一言(汗)

 黒部五郎岳カール

山頂から分岐点まで戻り、重いザックを背負って黒部五郎小舎、黒部のカールを下りていきます。巨石がゴロゴロ、カールの岩肌、どれをとっても魅力的に感じる場所です。岩の隙間から湧水があったり、小さい花が岩肌に隠れていたり、それを見つけながらの探索が楽しいです。ガイドブックにはこのカールで熊(?) を見かけたとかなんかが書かれていましたが、結局出会わず。いや、出会わなくて良かったよ・・・

 13時00分 黒部五郎小屋


赤い屋根が印象的な黒部五郎小舎。今年の営業は終了し、小舎は完全な雪対策の作りに様変わりしています。ちょうど昼時になったので、ここで太郎平小屋で買ったお弁当を食べましょう。チマキが4つと十六茶。お腹がとても空いてしまったので、ものの数分で食べ終わってしまいました。冬季シーズンは斜め屋根の小舎が開放されるようですが、ここは数m単位の積雪が来る場所だぞ?雪に埋まらないのか?

 13時20分 上り坂再び


小舎の裏手から次に進むルートがあります。ここもキツイ上り坂が待ち構えており、完全な樹林帯の中を突っ切る道となっています。途中で「ゆっくりコース」、「急坂コース」の分岐点が3回出てきますが、どちらも差に変わりないように思えます。30m先で合流しますので、今の気分で選択していくのが良いかと。しばらく進めば樹林帯から顔を出し稜線歩きになります。

 巻道分岐点あたり

三俣蓮華岳に登るか、三俣山荘に進むか・・・。三俣蓮華岳へは時間的に厳しい(と言うより無理です) ので直接三俣山荘に向かいましょう。時計の針は14時40分を指し、ここから1時間かけて山荘着となりますので16時手前でゴールになるかと思います。何とか16時までに到着出来そうで一安心。この辺りのdocomo環境ですが、アンテナ2本、しかも通話が可能です。スゲェ~なdocomo。

 15時30分 三俣山荘に到着


山荘までは1時間程で着くハズなんですが姿が見えてきません。「道を間違えたんだろうか?」と、1人で複雑な気分と戦いながら進むこと数十分。稜線を越えて山荘の姿をやっと捉えた!山荘を見つけた時は本当に嬉しかったです。黒部五郎岳から誰一人として登山者と会っていないんですから。テント泊の方が何名かいて、夕食の仕込みを始めていました。

 三俣山荘

今日の宿泊者は10名。新穂高温泉から三俣山荘までたった1日で来た山ガールさんがいました。名古屋から来たそうです。黒部五郎岳のピンバッチを購入しよう思ったら三俣山荘に売っていないことが分かりショック。売店に並んでいた「黒部の山賊(見本として用意されていた) 」を立ち読みして、これが面白くてすぐに読破。太郎平小屋と同じく三俣山荘でもワイワイ話しました。

夕食にハンバーグ、サイフォン式のコーヒーも一緒に頂いて満足の私。今日の工程を振り返ってみますが、やっぱり黒部五郎小舎の裏手から始まった上り道が一番過酷でしたね。樹林帯の中は景色が見えないし終わりが見えないし、体力だけじゃなく精神にも響いていましたね(>_<) でも明日が一番過酷な日。体力温存のために21時に就寝。ストーブが温かかった。