北アルプス縦走④

 

2012年10月10日  天気:晴れ

いよいよ北アルプス縦走の後半戦がスタートとなります。まだまだ晴天が続きますよ。今日のプランは三俣山荘を出発して鷲羽岳(わしばだけ)、次に水晶岳へと登り、裏銀座コースを真砂岳方面に進んで今宵の宿である湯俣温泉晴嵐荘に進むと言う、またまたハードなスケジュールとなっています。特に真砂岳から晴嵐荘までの間にある竹村新道が一番の難所になるかと思います。

 5時45分 鷲羽岳を目指します!



5時起床で5時20分頃に朝食、そして5時45分に三俣山荘を出発です。鷲羽岳へは1時間30分の距離で三俣山荘の後ろに堂々そびえています。直登ルートで急坂のみとなりますが、それも朝食パワーで乗り切ります。振り向けば三俣山荘が鞍部の中に見え、本当に山の中に建っていることが実感できます。「黒部の山賊」って本を読めば三俣山荘の印象がさらに変わりますね。

 7時00分 来たぜ!鷲羽岳!

槍ヶ岳と一緒に鷲羽岳の山頂標識を撮影。すごい強風が吹き荒れています。鷲羽岳は折立や新穂高温泉、高瀬ダムなど、どこから進んでも最低2日はかかる山の中にあります。眼下には鷲羽池が見え、あの場所に行けるコースがどこかにあるようなんですが結局見つけられず。山頂からは薬師岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳、槍ヶ岳と言った名峰揃いが見渡せました(^0^)

 ワリモ岳を攻略しにいきます


鷲羽岳の次は水晶岳です。しかしその前にワリモ岳があり、地図には危険マークが付けられていて「転落注意」の注意書きが・・・。なるほど、足場が小さかったり岩場を登ったりと確かに危険でしたが、まぁ慎重に進めば大したことはありませんね。そうそう、ワリモ岳は割物岳と書きますよ。

 水晶岳、水晶小屋への登り

ワリモ岳を過ぎたら水晶岳の悠々しい姿が現れます。一番標高の高い部分が山頂ですね。水晶岳は別名黒岳とも呼ばれていますが、その姿が黒く見えると言う事で命名されたそうですが・・・どうでしょうね?黒く見えます?これから稜線伝い、尾根伝いを進み水晶岳に近付いていきます。

 8時50分 水晶小屋に到着


水晶岳の手前にある水晶小屋に到着しましたが、完全な風の通り道になってしまい寒い寒い!ここから水晶岳までピストンする予定だったんですが、残念ながら時間が足らず断念せざる負えない状況になりました。仕方ないな・・・。後ろ髪をひかれる思いで水晶岳を後にします。この水晶小屋、これまで台風や強風の影響で、幾度も倒壊に直面しています。屋根が低いのはそれを防ぐためなんです。

 裏銀座縦走コースを歩く

黒部ダム方面を見ています。ずっと奥に見えるのが立山や剱岳です。

反対方面を見れば槍ヶ岳。手前にある茶色部分が硫黄岳。険しい谷ですね。



裏銀座街道と呼ばれるだけあって景色は最高です。途中の東沢乗越を通り過ぎた辺りから風がだんだんと落ち着くようになり、またお腹も空いてきたので昼食を頂きます。三俣山荘のお弁当は魚の煮つけ。何の魚でしょうね?見渡す限りの自然の中、そして登山者が誰1人いない中での食事タイム。鳥の鳴き声や風の音だけが聞こえる贅沢な場所で食事を頂きます。なんかもう最高!

 11時35分 真砂岳分岐地点

裏銀座コースを2時間程歩き真砂分岐点に到着しました。左に進むと野口五郎岳や烏帽子岳と言った裏銀座のメインコースを踏み、右に行けば裏銀座コースから離れて晴嵐荘に続く竹村新道に変化します。私が進むコースは竹村新道。地図には「登り下りともにきつい」と言う怖い記載が・・・

 竹村新道方面へと足を踏み入れる

途中の道で崖崩れがあったのか迂回ルートが作られていました。もちろん正規のルートではないため急坂が目立ちますので慎重に進まないと本当に転びます。ここから表銀座コースの燕岳、大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳などの山々が望めますよ。どれがどの山なのか分からないケド。

 12時50分 南真砂岳の頂きを踏む


竹村新道から少し外れますが南真砂岳への道がありましたので寄り道してみましょう。ただ気になったのは通行禁止の看板が立っていたこと。南真砂岳って本当は立ち寄れない場所だったのかな?南真砂岳の山頂にはカマボコ板みたいな木で「南真砂岳」と書かれていました。

 いよいよ竹村新道へ突入


地図に書かれていた「登り下りともにきつい」と言う記載。あの意味を竹村新道を通った後で実感しましたが、この道はアップダウンが多いのに加えてとにかく長い長いコースです。クサリ場のあるような危険個所はありませんが、とにかく長いので気持ちが萎えてきます。そんなこんなで湯俣岳に到着しましたが、なんとここで登山靴の底部分、ソールが剥がれてしまった!このタイミングで!?

 まだまだ続きますよ~


ソールが中途半端に剥がれてしまい、それが地面を擦ったりして上手く歩くことができません。かなりマズイ状態になりました。幸いにもテーピングを持っていたのでグルグル巻きにして補修しましたが、こんなコトでテーピングを使用するとは思ってもいませんでした。竹村新道を歩いて何十分経ったんでしょうか?沢との距離がだんだんと近づき、竹村新道の終わりが見えてきました。晴嵐荘もあの沢の近くに建っています。

 16時15分 ここが湯俣温泉清嵐荘

よっしゃ~!竹村新道を制覇したぞ!施設(絶対に清嵐荘だと思った) が見えた時の感動といったらもう(泣) これまで色々な山に登ってきましたが、これほどの疲労度が溜まったのは初めてです。空腹に加えての疲労でとにかく半端ないマズイ状態でした。早速宿泊手続きを済ませて部屋でゴロン。なんかもう起き上がれません。オーナーから「大変だったでしょう?お疲れ様」と労いの言葉を頂きました。本日の宿泊者は私のみで、なんと山荘貸切状態です。

 疲れた体にお疲れ様


晴嵐荘に来た理由は温泉に入れること。縦走計画を立ている時から縦走のゴールは晴嵐荘にしようと考えていたんです。バテた体を何とか起こし、温泉で疲れを癒して、夕食まで昼寝をして体力を戻し、そしてお待ちかねの夕食です。なんと鍋が出てきました!缶ビール500mlが800円と割高ですが、今日はもう無礼講だ!本当に本当に美味しく頂きました。ただ宿泊者が私1人だけだったので寂しい食事ではありましたが、でもまぁ1人の食事も良いものかもな。

部屋に戻りiPod shuffleで「イノセントワールド」聞きながら夜空を眺めます。 「♪僕は僕のままで ゆずれぬ夢を抱えて どこまでも歩き続けて行くよ いいだろう?♪」 と鼻歌を交えながら(笑) 明日は縦走計画最後の日です。ただ、このまま下山をするのはもったいないので、朝ご飯を食べたらこの辺りを散歩してみましょうか。もしかしたら面白いモノがあるかもしれない。