北アルプス縦走②

 

2013年10月7日  天気:晴れ

起床は午前4時。出発は4時20分。雄山でご来光を見るために日の出1時間前から出発します。今日が一番大変な工程となっており、雄山、大汝山、富士ノ折立、別山、そして剱岳と一気に登頂し、最後は剱澤小屋に宿泊。クサリ場ありありの別山尾根ルートを歩き、実に10時間の計画となっています。あの13kgの荷物を背負って登頂成功なるか?2日目の開始です。

 4時10分 一の越山荘を出ます

午前4時起床。部屋を出るとシーンとした空気。他の登山客を起こさないように静かに山荘を後にします。この時間でも上を見上げれば星空がスゴイこと。星空が見えるってコトは雲がないってコトだ。つまり晴天!ご来光を拝みにいそいそと出発します。辺りは真っ暗です。絶対にヘッドライトを忘れないように。

 5時10分 雄山登頂!

3015m、ヘトヘトになりながら雄山に到着しました。かなり真っ暗です。ヘッドライトの光を消すと足元が見えなくなります。室堂を振り返りながら進んできましたが、2つのヘッドライトが室堂から一の越山荘を通って雄山に向かって進んでいるのが見えました。きっとご来光を拝みに来た登山者の方でしょう。

 5時40分 ご来光

後立山連峰の奥からご来光!富士山に登らずともご来光の感動は一緒です。ヘッドライト2つの正体は学生チーム。3時に室堂を出発したそうです。彼らも私のヘッドライトに気付いていたようで、夜明け前に到着できたことを互いに祝福。山頂には私と学生チームの3人だけ。富士山とは違い静かな時間を過ごせました。学生チームはビデオカメラを取り出し何やら作成中。私は剱岳に向かうため一足先に失礼します。

 6時15分 大汝山


太陽が出ないときは寒く、太陽が出ると暑くなる。気温差が激しいのは夏山と同じですね。雄山の次は大汝山に向かいます。大したコトのない道ですが、大汝山の直前だけガレ場ですので注意して登ります。すぐ下に大汝休憩所がありましたが「See you next year」で営業終了。

 6時35分 富士ノ折立は通過

続いて富士ノ折立に向かいますが、ガレ場の状況を見て上り下りに時間がちょいかかりそうと判断。頂上には登らずここは通過しました。立山の稜線もガレ場が多い印象を受けますね。薬師岳のように砂地を歩くイメージだと思っていたもので、少々ヤラレタ感があります。

 7時10分 真砂岳(まさごだけ) に到着


富士ノ折立を過ぎたあたりから砂利道に変わってきました。次は真砂岳を目指します。途中にある看板や標識が随所にありますのでコースアウトと言ったトラブルはないと思いますが、これがガスってくると途端に迷いそうな道に変化しそうです。真砂岳へは40分程かかる距離です。そして真砂岳に到着。休憩していた方が仲間と、「この後に剱って登れると思うか?時間的に厳しいよな」って会話をしていましたが、私は今日それを実行するんですよね~(^0^)/

 別山までの道のり


真砂岳で軽めの休憩を取ったら別山に向かいましょう。別山も40分程かかる距離です。別山に登ったらいよいよ剱岳が目の前にそびえ立ちます。雄山からも剱岳の姿は見られますが、目の前となれば意味合いは違ってくるハズ。どんな荒々しい姿なのか、期待に胸が膨らみます。

 7時50分 別山に到着、そして剱岳を見つめる

別山に到着し、剱岳が目の前に現れました。剱岳は毎年死者が出ると言われる危険な山であり、決して油断は出来ません。特にカニの縦バイと横バイが関門と言われるクサリ場多発の山。百名山の中で最難関の山の部類に入るでしょう。「正直ギザギザした山だな~」が第一印象。第二印象が「どこに道があるんだろう?」です。剱岳に向かう前にここで一回気合を入れます!

 剱澤小屋に向かいます


別山にベンチっぽい椅子があったので、一の越山荘で買った朝食を食べることにします。ベストな場所で食べられたなって思っています(笑) その後、別山を越え剱澤小屋へ向かいますが、急な斜面なので気を付けて下ります。40分程すれば剱澤キャンプ場、剱澤小屋に到着。

 8時50分 剱澤小屋に到着

今日の宿泊場所です。施設後方に石を敷き詰めてバリケードを作っており、いかにも頑丈そのものです。でもそれもそのハズ。剱澤小屋は1963年に雪崩の影響を受け完全に倒壊。また1988年には雪圧で倒壊寸前に追い込まれると言った数度の苦難を経験しています。小屋の方から聞きました。雪崩と言う自然の恐ろしさを肌身で感じとることが出来ました。怖い・・・

 9時10分 続いて剣山荘に到着

荷物運搬用のヘリが剣山荘を周回し、食料運搬と廃棄物運搬を行っている真っ最中でした。ここが剱岳に最も近い山荘。剣山荘の表札がでかいこと。ここで剱岳への往復時間と現在の時間を照らし合わせて行けるかどうかの最終判断を行います。ここでしくったら大変です。残り6時間、行けるな!気分を盛り上げるため、槇原敬之さんの「GREEN DAYS」を聞いておこう(笑)

剣山荘の裏手から剱岳に向かうルートがあります。剣山荘では当然のコト飲料水の調達も出来ますし、落石で頭を守れるようにとヘルメットの貸し出し(有料) も行っています。深呼吸、そして休憩を十分にとり、念入りな準備も済ませ、いよいよ剱岳を目指します。剱岳登頂までの軌跡は次ページで紹介します。天候は文句なしの晴れ!ではでは安全第一で行ってきます!