霧ヶ峰  2013年2月10日  天気:晴れ  

雪原に重宝する「かんじき」を登山道具にリニューアルした物がスノーシューです。それをとうとう購入してしまった!意外にお高い買い物だった。普段は足を踏み入れない冬季シーズンも有意義に楽しみたいと思い、この季節、とっても寒いとは思いますが未知の世界に初めて入ります。今回の舞台は冬の霧ヶ峰です。スノーシューってどんな履き心地なんだろうか?

 2月9日 22時45分 狭山PA

霧ヶ峰にはなんだかんだで3度目の訪問です。関越道から圏央道に入り、八王子Jctに向かって20分程走ると狭山PAに到着します。ここでは交通情報をお知らせするモニターが備わっているので、ここを寄るたびに渋滞していないかどうか確認をしてしまいます。夜中だし、渋滞ないよね。よし!

 2月10日 1時30分 八ヶ岳PA

そろそろ眠気が襲って・・・ってそらまずい。諏訪IC出口も近いので、その手間にある休憩所に立ち寄って20分程寝ちゃおう。高速道路の路肩や休憩所内には雪がちらほら見えてきて、雪の世界に近付いて来たことが伺えます。外は超寒いですよ。トイレも勇気を出して行かないと(笑)

 3時00分 八島湿原まで走る

諏訪ICを降りて国道20号線、152号線、ビーナスラインと走り続け、とうとう路面に雪が出始めました。でも除雪がしっかりできて、しかもスタッドレスはいているので不安はそれほどなし。それよりも車が1台もすれ違わない山道の方が逆に怖い。携帯温度計はマイナス14度を示す。

 6時30分 八島ヶ原湿原駐車場



太陽も上がらぬ真っ暗な場所に一人。八島ヶ原湿原に最も近い駐車場に陣を決め車泊をしましたが、車が1台もなく心細いです。朝になって徐々に車が集まってきたので安心しましたが夜は怖かった。周辺は雪に囲まれていて夏とは違う世界が広がっています。駐車できるスペースも雪の影響で減っています。あ、それとビーナスラインはここから通行止めですよ。 

 7時10分 ここが八島ヶ原湿

トンネルをくぐれば・・・そこには雪に覆われた素晴らしい世界がありました。夏とは違って冬は湿原だろうが歩道だろうが、関係なく雪に覆われています。まさに雪原と言える場所です。積雪は約50cmくらいでしょうかね?目の前に見える木が半分ほど雪で隠れてしまっています。

 7時30分 雪の上をザクザク進みます


今日は蝶々深山方面に向かうのではなく、別コース、コロポックル方面に足を運びます。杭が完全に埋まって道と湿原との境目が見えないのでは?と思っていましたが、なんのその。頭だけとは言え杭がしっかりと顔を出していました。まぁそれでも完全に見えなくなっている場所もありましたが、そこは登山者が作ったトレースがしっかりあったので迷うことはありません。

 7時50分 鹿避けのトビラ

途中に鹿よけの門がありました。後から分かりましたが、この湿原を覆い隠すように取り付けられています。そのため行きと帰りにそれぞれ門をくぐることになります。でもね、扉が1枚トビラじゃなく、上下に二分割されている構造で、下のトビラが雪で詰まって開かない!なんでこんな作り方を?と思いましたが、一枚トビラにすると、扉自体が開かなくなっちゃうんですね。

 8時00分 御射山(みさやま) ビジターセンター


御射山ビジターセンターで休憩をとります。山荘は窓も扉もガッチリと閉じており完全防備。もちろん辺りには誰もいません。太陽が出ていても気温はマイナス7度の世界ですので、うかつに素肌を出すとあっという間に肌は痛くなり指もむくみます。それに顔を隠しておかないと日焼けもすごそうです。マスクやゴーグルを準備して日焼け止めクリームも塗って対策します。

 ウサギの足あと?

この足跡はもしかしてウサギかな?スノーシューの履き心地ですが、スノーシューのデカさに加え独特の歩き方になってしまうので少し窮屈感があります。まぁこれは慣れの問題でしょう。それはそうと確かに雪に沈まない!試しにスノーシューを外して歩いてみたら腰までズボっ(汗) 皆様も注意して下さい。腰まで埋まると自力で這い上がるのが相当厳しいです。

 8時20分 沢渡(さわたり) に来ましたが・・・

夏なら登山道も標識もハッキリと見えているだろうけど、冬は雪がそれらを完全に覆い隠してしまうので判断不可能。ここも標識が完全に埋もれてしまったようで、トレースの跡や地図とコンパスの併用で道を探り当てないといけません。その情報からコロポックルはこの先と判明!

 8時50分 コロボックルヒュッテまで歩く


雪の上を歩くのに絶大な効力を発揮するスノーシューとて登りは本当にきつい!登りになると単純にスノーシューの重みも加わってしまうので理屈なしで苦しい苦しい。進んでは休んでの繰り返しで少しずつ距離を稼ぎます。途中で雪山の写真を撮っているカメラマンの方がいましたね。寒そうですが大丈夫のようです。みんなまるっまるの格好をしていましたので(笑)

 8時55分 コロボックルヒュッテ

コロポックルヒュッテに到着しましたが、手前の坂道にやられてすでに息切れ状態。このコロポックルヒュッテの前にも駐車場が整備されており、ここを拠点として車山に登る方もいたり、雪景の写真を撮る方もいたりと、意外にも登山者や写真家の人たちで盛り上がっていました。

 9時00分 山頂に向けて歩く

残すは車山を目指すだけですが、てっきり一直線上に歩くもんだと思ったら夏と同じ道にトレースがつけられています。周りは除雪作業が進んでいましたし。雪があんまり積もらない場所なんでしょうかね?太陽の日差しが強烈に見えますが全くもって暑くはなく、逆に寒いです。

 10時00分 車山の山頂も寒い

山頂に到着して早速記念写真を撮ろうと思いますが、迂闊にグローブを外すとマイナス7度の世界に指がやられます(爆) 調子に乗って記念写真を撮り続けると凍死3歩手前の状態になります。2分も持ちません。車山の奥はスキー場になっており、スキーヤーの方も何名か山頂で写真を撮っていました。富士山が遠くに見えるのですが、うっすら写っているの見えますか?

 10時05分 ラッセルしながら下山開始

車山乗越に向かいます。夏道だと傾斜の強い階段を下りるのですが、冬だと関係なしにどこからでも下りられます。ただこの季節はスキーコースが作られてしまっているので、下りる際はコースを避けて進まないといけません。これが少々大変で、避けて道を作る姿は完全にラッセル状態。そんな姿にスキーヤーの方も珍しく見えたのか、チラチラ視線を感じます。

 10時20分 車山乗越

ラッセルも順調に終え車山乗越に到着。ここで陽気な登山者の方と出会い意気投合。今日は雲が怪しく蓼科山しか見られないことや、山頂はメチャクチャな強風であること、ラッセルが大変だったこと、そんな話しで色々と盛り上がりました。どこをラッセルしたかと言いますと、後ろに見える白い球体(山頂のシンボル) からスキーコース沿いを通ってここまで来ています。

 10時45分 蝶々深山

北アルプス縦走の際に、あまりにも腹ペコ過ぎて身動きが取れなくなったコトが1回あります。現在もそんな状況になっていて、そんなの途中で食べれば良いものを風が容赦なく吹き荒れていて立ち止まることを許してくれません!立ち止まると容赦のない痛みが体中に走ります。

 青空の中の雪原

自然の造形といいましょうか?踏み跡が一切ない自然のままの雪原です。風の影響で雪が流れるように形作られていますが、それも自然の造形として見事なまでに合わさっています。雪原を見たいがために霧ヶ峰に足を運んでいるんだから、苦しくても我慢しないとダメですね。夏だとここら辺には木々でがたくさん生えているのですが、それも雪の中に沈んでいます。

 11時30分 ザクザク下ります


蝶々深山から鎌ヶ池キャンプ場の間が一番過酷な場所でしたね。ラッセルの跡も皆無に近いため自らラッセルをしないといけません。私の場合はスノーシューを履いているのでラッセルとは無線ですが、この辺りは草の上に雪が積もっていて、しかも草の下は空洞になっているためスノーシューごと踏み抜いてしまいます。ズボッと腰まで埋まるし、這い上がるのもキツイ。

 12時00分 鎌ヶ池キャンプ場

キャンプ場で料理を作っている方がいたので声をかけたら「Hey!!」と。うぉ!とっさに「I fell like sleeping. Because very very tired this mountain.」と口走ってしまった。そしたら「HaHaHa」と言われたもんだから、え?え?間違った?伝わった?と一人悶々としました。「Good luck」とその場を逃げ?ましたが、緊張した~まさか外国人の方だったとは(汗) びっくりした~

 もうすぐ一周です

どれだけ雪が積もっているんでしょうね?八島ヶ原湿原はご覧のとおり、雪で完全に覆われています。何だか歩けそうな感じはしますが当然のこと立ち入り禁止。ここから山頂に建っている気象レーダーが見えますが、何名かの登山者(スキーヤーかも) が山頂で何かやっているのが見えました。

 12時30分 無事に一周出来ました(^O^)

雪に埋まったり、もつれて雪の中にダイブしたり、ガス欠になったりと色々ありましたが、実に5時間30分もの時間を掛けてスタート地点に戻ってきました。夏の登山であれば4時間で1周出来ると書いてありましたので、その1時間30分の差は雪道の影響で間違いないでしょう。

 12時45分 スタート地点に戻り帰路へ

慣れないスノーシューを履いて結構な距離を歩いていますので、もう足がガクガク状態。何とかスタート地点まで戻って重かったスノーシューを外します。その開放感と言ったら凄かった。駐車場には朝より車が増えていて車道に止める車も何台か見受けられます。さて、帰りの渋滞を気にしつつ早々と帰宅準備。雪道も周辺が明るければ怖くはありませんね。

 14時35分 八ヶ岳PAで八ヶ岳を撮影

帰宅途中の中央道から綺麗な八ヶ岳が見えたので、これは絶対に写真に収めたいと思い急遽八ヶ岳PAに駐車します。今まで何回か八ヶ岳の眺望を見てきましたが、こんなにもハッキリクッキリ見えたのは初めてです。天気もずっと穏やかで最後の最後まで運がついていたな。その後、予想通りと言うか帰りの小仏トンネルで発生した渋滞にガッチリはまりました(笑)

アイゼンとピッケルの組み合わせのように、スノーシューを履く場合はストックもセットで用意すると重宝します。疲労分散効果もありますが、もともと安定しない場所(今回で言うと雪の上) を慣れない靴で歩きますので、体勢が崩れるとそのまま雪の中にダイブしてしまいます。今回もストック効果でダイブを免れましたが、ストック無しだと200回はダイブしていたと思います。