北アルプス縦走⑤

 

2013年10月8日  天気:晴れ

北アルプス北部に君臨する剱岳を登頂し、無事に生還した私は非常に上機嫌(笑) しかしその後、台風が北陸地方に迫ると言う天気予報を見て山荘から黄色信号が出されます。本当なら阿曽原温泉まで向かう予定でしたが自然相手じゃ分が悪い。止む無く下山を決行(泣) 台風が来る2日後までは天気は良好なので、今日は室堂に戻って黒部ダム観光といきましょうか。方向転換も旅の醍醐味です(^o^)/>

 4時30分 剱澤小屋を出発します

シ~ンと静まり返る山荘にて4時起床。4時30分に剱澤小屋を出発します。「今日はどこに行くんだい?」「室堂まで下山です」「そうかい、気を付けてね」と、オーナーと私のやりとりです。まだ眠り足りない時間でもあったと思うのに、山小屋はなんて言うか・・・温かい場所ですよね。本当にありがとうございました。満点に輝く星空のなかで剱澤小屋を出発。テント場を抜けて剱御前小舎に向かいます。

 5時30分 赤く染まる剱岳

ご来光から約1時間の間に限り、太陽の赤い光が剱岳を照らすと言う現象が起きます。時間が立ちすぎると赤色からいつもの太陽の光となり、感動の場面は終わってしまいます。朝方4時、剱岳に向かっていくヘッドライトが数個見えましたので、彼らも一服剱辺りでご来光を見ていることでしょう。剱岳は本当に大変だった。無事下山できたことに改めて達成感と安堵感が湧き起こります。

 6時00分 剱御前小舎

剱澤小屋から剱御前小舎までは1時間程の距離ですが、昨日の剱岳登頂の疲労がまだ完全に取り除かれていないようで足取りがメチャメチャ重く、小舎の前にいた登山者の方から「お疲れ様でした」と言われてしまった!昨日は無風に近い天気だったけど、今日は一転して風の強い日ですね~。小舎の窓がガタガタと揺れています。

 6時10分 雷鳥坂を下ります

治ったと思った膝の痛みが再発し、膝の痛みを抱えながら下山をするハメに(泣) 相当膝を酷使したんだろうな~と思うばかりです。ここから見える室堂のキャンプ場や山荘はまだ人の動きがなく静かですね。天気はとっても良く、遠くの景色まで一望できます。

 雷鳥とまたまた遭遇

周囲にハイマツ。そして聞こえる雷鳥の鳴き声。足を止めて雷鳥の気配を感じ取ろうと横を向いたら、なんと雷鳥が目の前にいるじゃないですか!しかも2羽!立山は雷鳥の遭遇率が本当に高いな。2羽とも全く動かず人間との距離を測っているように見えます。威嚇されても困るので早々に立ち去りましょう。

 紅葉が綺麗ですね~


室堂に広がる紅葉の景色が素晴らしいのなんの。赤や橙に変化した木や草の色合いが目を楽しませてくれます。あと少し歩けば雷鳥沢キャンプ場に到着となります。雷鳥、雷鳥坂、雷鳥沢、雷鳥平、雷鳥沢ヒュッテ、雷鳥沢キャンプ場、・・・ここは雷鳥ばかりじゃんか(笑)

 7時30分 雷鳥沢キャンプ場に到着

雷鳥坂を下りてキャンプ場に到着となります。このキャンプ場を起点として剱御前小舎や一ノ越へ向かうコースが延びており、この時間からテントの中がモゾモゾと騒がしくなります。目の前には堂々とそびえる雄山が広がっていて、それを撮ろうとカメラを構える登山者がたくさんいます。ちなみと、剱御前小舎、雷鳥坂、雷鳥沢キャンプ場、全部docomoのアンテナが2本立ちました。

 みくりが池温泉を目指します


フルーツ味(特に意味はないです) のカロリーメイトを食べてエネルギー充填!よし出発だ!と思った途端、キャンプ場から雷鳥荘まで向かう坂道が足取りをいきなり重くします(泣) 完全に舗装された道ではありますが、膝の痛みを抱えた状態で坂を上るのはかなり苦しいんですよ。

 8時15分 みくりが池温泉で朝食

みくりが池温泉に到着しました。ここで日帰り温泉に立ち寄ることが出来ますが9時からの営業なので注意。カロリーメイトのエネルギーが1時間足らずで切れてしまったので、「みくり」で朝食を取りましょうか。施設内にあるシャレた喫茶店です。ハーフピザを頼んでさらに生ビールも付けて、このセットで1000円とお買い得!美味しく頂きます。くぅ~旨いぜ!

 8時45分 そばにはミクリガ池

みくりが池温泉から30秒程でミクリガ池に到着です。ミクリガ池に雄山が写りこんでいたので、逆さ雄山が見れるかな?とカメラを構えていましたが、風の影響でボヤケた逆さ雄山しか撮れませんでした。このミクリガ池、ある場所から見ると浄土山が湖面に映りこみ、その映った景色がハートマークになるらしいですよ。

 8時55分 室堂に戻ってきました

観光客の方が目立つようになってきました。ではでは早速、黒部ダムを見学しにいきましょうか。室堂(ホテル立山) から大観峰、黒部平、黒部湖と進んでいき、またまた色々な車両に乗り継いでいきます。室堂の周りをグルって見て気が付きましたが、剱岳がここからでも見えるんですね。ただ頭しか出ていないので本当に気が付き難いですが。

 9時10分 大観峰方面トロリーバス乗車

大観峰まではトロリーバスを利用します。テレビモニターに映し出される時刻表では、大観峰行きのトロリーバスは9時15分発って表示されていたもんなんで急いで切符を購入!最終的には信濃大町駅まで向かいますが、管轄している会社が違うとのことで切符は扇沢駅までしか購入できませんでした。扇沢駅までは5700円。そしてここでも荷物料金として300円徴収。計6000円也。やっぱ高い・・・

 9時25分 ここが大観峰駅


平日なのに観光客の方がとても多いですね~。何かのツアーなんだろうか?それはさておき、せっかく展望場所に来たんですから黒部湖や紅葉の景色を眺めてみましょう。遠くに見える黒部湖のエメラルドグリーンがとても印象的です。次の乗り物はロープウェイ乗車となりまして、黒部平駅へは9時50分発・・・と書いてあったのに、テレビモニターで「臨時便の9時30分発を出します」と突然時刻の変更!

 9時45分 黒部平駅に到着

黒部平駅に到着しました。今度はケーブルカー9時50分発に乗って黒部湖に向かいます。随所に土産店が並んでいますので、時間に余裕があれば立ち寄るのもいいかもしれません。私は黒部ダム見学に時間を使いたいので土産店をスルーし50分発のケーブルカーに乗り込みます。

 9時55分 黒部湖駅に到着

ケーブルカーを降りたら矢印に従って涼しいトンネルの中を進んでいきます。外の景色が見えたらゴールですよ。大きな扉を抜けるとやっとのこと黒部ダムに到着となります。3つの車両に乗り継いだわけですが、どれも平日には似合わない観光客。平日がこれなんだから、もし観光シーズン時だったら・・・

 10時00分 黒部ダム・・・?

「行ってみたい観光地アンケートで第1位に輝く黒部ダム」・・・と聞いていたんですが、あれ?意外とショボイ。本当にこれが第1位の栄光に輝いたのか?「ここまで来たのに何だかな~」って気分で歩いていると、反対側で何やら必死に写真を撮っている方がいるな・・・何だろう?

 黒部ダムの見応えはこっちか!

「何の写真をそんなに必死に撮っているんだろうか?」と近寄ってみたら、ドドドーと響く大きな放流の音!「そうか!黒部ダムの本当の姿はこっちか!」と、黒部ダムの真の姿を見ることになりました。スケールのデカさが半端ねぇ~!しかも高低差がすごい!足がすくむよ(震) いや、本当に。

 ダム展望台に向かってみましょう


すげぇ~な・・・黒部ダムって軽い要塞だな(笑) 黒部湖駅から黒部ダム駅まではダムの歩道を歩いていきますが、これが結構かかります。その先にあるダム展望台までの280段、朝に再発した膝の痛みを抱えながら頂上まで上がりましたが、激痛の中の280段はさすがに堪える(泣)

 ダムのスケールが想像以上

ダム展望台までは280段も上がらなくてはいけませんが、50段辺りの景色が一番良いかもしれません。いや~完全なアーチ型コンクリートダムですね。堤高は168mもあり、この高さは日本1位!513億円もの巨額資金を費やし延べ1000万人以上の作業員を動員させての建設。資材の運搬も難しく、転落事故、トラックやトロッコでの労働災害、破砕帯から噴き出た冷水で心臓が止まるなど、殉職者も171名に及び、このダム建設がいかに難工事だったかを痛感させられます。

 やっぱ黒部ダムと言ったらダムカレーでしょ?

黒部ダムに来たらダムカレーを食べてみようと密かな思いがありました。過去にテレビで放送されていたダム崩壊の例をマネして崩壊させましたが、ルーが思った以上にドロドロして崩壊しません。選んだカレーが間違ったのかな?無理やりライスのダムを決壊させましたよ(笑)

 11時15分 扇沢方面トロリーバス乗車


扇沢方面に向かうトロリーバスの時間は11時35分。最初は涼しいトンネルの中を歩いていき、その途中にあった看板の指示に従い階段を上がるとターミナルに到着となります。トンネルには黒部ダム施工までの軌跡資料が展示されていて、極寒の時期にも作業は行われている写真もありました。雪の積もる中での作業の写真にただただ唖然です。ここでも荷物料金として200円徴収されます。

 11時50分 扇沢駅に到着

扇沢駅に到着しましたが、眠け抜群。バスに「黒部ダム、おかげさまで50周年」とデカデカなイラストが描かれていましたが、マスコットはモグラか?ここから信濃大町まで別のバスに乗り換えますが、電鉄富山駅から扇沢まで3530円+5700円で合計9230円かかっています。冷静に考えると結構な移動費がかかっていますよね~。さてさて、信濃大町駅までいくらかかるんでしょうか?

 登山の重要な基地、扇沢駅

立山、剱岳、後立山連峰の鹿島槍ヶ岳、五竜岳・・・と、扇沢駅は名峰の登山口を担っている重要な登山基地となっており、その扇沢駅まで車が入り込めるのは本当に嬉しい限りです。私も後立山連峰に挑戦する際は活用する予定です。チケット売り場にて扇沢駅から信濃大町駅までの切符を購入しましたが、なかなか高めの1330円。つまりは電鉄富山駅からスタートして信濃大町駅まで行くと、合計10560円ってコトだ!

 13時00分 一年ぶりの信濃大町駅

前回は高瀬ダムからタクシーを使って信濃大町駅に来ましたが、今回はバスを使っての到着です。実に1年ぶりの訪れですね。もうここは北アルプスに向かう要の駅と言ってもいいでしょう。ザックに入っている不要な荷物をヤマト(宅配業者) に自宅まで発送してもらい荷物の軽減を図ります。ここから大糸線に乗って松本駅に向かい、松本駅から特急に乗って東京方面へと向かって帰路となります。

東京駅から富山駅、立山黒部アルペンルート、そして信濃大町から自宅までの移動費。これらのトータル費用は約30000円!結構な額ですが、私はそれだけの価値は絶対にあったと思いました。室堂も黒部ダムも予想を超えたスケールがあります。次にまた機会があったときは扇沢駅から攻めて、今度こそ剱沢大雪渓、雲切新道、水平歩道の黒部峡谷を歩く予定です!最後まで読んでくれて有難うございました!