西穂独標① 2014年12月27日 天気:晴れ
北アルプス西穂独標に挑戦する日がやってきました。久々の雪山登山で天候はこれ以上ないと言えるほどのピーカンに恵まれた最高の日!これは絶対に行かなきゃ損って思えるほどの天候です!今日は西穂山荘泊ではなくテント泊を選択し、ゆったりとした睡眠を取ろうと計画と立てました。山荘は激コミしそうな予感があったからです。布団1つに3人はキツイですからね。それでは西穂独標プランの始まりです。
・・・アクセスについて・・・
新宿からの直通バスが今年の営業を終了しているため、松本駅から新穂高ロープウェイまで走る直通バスに乗り込む必要が出てきました。まずはJR新宿からJR松本まで特急電車を利用し、次に松本駅からは新穂高ロープウェイへ向かうバスに乗車。あとは西穂独標までは徒歩!電車もバスも2時間かかる長距離になるため睡眠をたくさんとっておきましょう(笑)
意外だったのが路面の除雪は完璧でした。
・・・所持品・・・
晴れていても氷点下。防寒着は絶対でアイゼンにピッケルは必需品。テント泊をする場合はスコップやスノーソーがあると重宝。顔面を覆う目出帽やサングラス、ゴーグルと言った顔や目を守る道具も必要。グローブがないと確実に凍傷を引き起こします。ヘルメットやザイルは西穂高岳に行く場合は状況に応じて装備し、西穂独標までは無くても十分可能。あ、ホッカイロがあると便利ですよ(^o^)
6時20分 JR新宿駅よりスタート |
7時発の「スーパーあずさ1号」に乗って松本まで直行です。しかもグリーン車をチョイス(^o^)/
駅弁を購入しましょう。6時30分営業開始なので7時発の電車にも間に合います。ひもを引っ張ると蒸気がシューってなって熱くなる「牛タン弁当」にするか。それとも駅CMで流れた「から揚げ弁当」にするか、いやいやヘルシーな「惣菜30品目弁当」にするか・・・うぅ、これは迷ってしまうぜ(´ヘ`;)
6時45分 スーパーあずさ1号に乗車し、駅弁食う(笑) |
「スーパーあずさ1号」が入線しました。乗車して早速駅弁を堪能しましょう!今日の日程の中に山登りを組んでいるのでビールは飲めません(>_<) 温かいお茶で我慢しましょう。・・・で購入した駅弁は「かにめし」です。「まいう~(´∀`) 」 見た目よりもだいぶ小さいので人によっては足りないかもしれません。
だんだん雪景色に変化してきましたね |
「SyberStation」で空席状況を確認しますが珍しく空席が目立つ。そして車内はガラガラ。新宿からスタートして大月、甲府、諏訪、そして松本へ進んでいくと、最初は無かった雪景色が見られるようになり、そして遠くには北アルプスが堂々とした姿で聳えています。この景色を見た時は興奮でした。
9時50分 松本駅に到着 |
駅に着いたら松本バスターミナルへ移動。新穂高ロープウェイ行きのバスは10時25分発であり、これを逃すと少々面倒になります。Ario建物1Fの青三角形にバスの絵が写っているの見えるでしょうか?そこがバスターミナルです。予約なしで当日券を購入するためバスチケットを早々に手に入れないと。
バスチケットを購入し停留所で待機 |
行き先が新穂高温泉って書いてありますが、新穂高ロープウェイまで利用可能です。
まだまだ時間が余っていますのでコンビニに寄って昼食を購入。その後は新穂高方面の停留所(9番ホーム) で待機。私の他にも何名かの登山者がいましたが、どの方も装備が凄まじいものでした。ザックにはザイル、スコップ、スノーシュー、ピッケル、ワカン、さらにはアイスハンマーまで取り付けている方までいます。「一体どこに行こうとしているんだ?」・・・正直に思った感想です。
11時45分 上高地に向かう登山者 |
登山者数名が「中の湯」で降車し釜トンネルに向かいます。あの先は上高地。警備が厳重ですね・・・
11時55分 平湯温泉で5分間の休憩 |
平湯温泉で5分間の休憩がありますので外の空気を吸いに行こう。太陽がカンカン照りで何とも気持ちいいんだ~(´∀`) 世界の国旗を持つ雪だるま、なんだか雪国に来たって印象を受けますな。店内を回っていたところ飛騨牛の肉まんが売っていたので早速購入!ご当地グルメは外せません(^_^)
12時30分 新穂高ロープウェイ |
新穂高ロープウェイに到着。ここからロープウェイに乗って終点の西穂高口に向かいますが、何だか雪が降ってきましたよ!このまま吹雪いたら1年前の雲取山と同じ結末を迎えるんじゃないか!? まだ何にも分かっていないのに被害妄想は健在(笑) いや、なったらなっただ!ロープウェイの往復料金は2,800円ですが、6kgオーバーで往復600円の追加徴収があります(>_<)
合計3,400円なり。
13時00分 鍋平高原駅から しらかば平駅へ |
ロープウェイは2つあり、1つ目のロープウェイと2つ目のロープウェイ間は歩いて行かなければいけません。積雪が増し、私だけじゃなく他の登山者や観光客の方からも「すご~い!」「雪積もってるね」などの声が聞こえてきます。まだ標高1305mですが既に1mは積もっています。
13時50分 西穂高口駅の展望台にある"にしほ君" |
雪だるまではなく、完全に餅状になってしまった"にしほ君" です。愛嬌はありますね(^_^)
じゃあ行ってきま~す。今年から登山届けを出さない登山者には5万円の過料が発生しますので、施設内にある登山ボックスに必ず登山届けを投函しておきましょう。登山届けはボックスの横にあり、4Fの登山出入口の扉前に設けてあります。下山届けもありますので戻って来た時に書く必要がありますね。
新雪パウダースノーです |
トレースが出来上がっているのでワカンは必要なし。アイゼンを履いて進みます。既に積雪は2mを超えているようでトレース以外の場所に足を踏み入れると沈み込みます。這い上がれなくなりますのでご注意を・・・って言うとやりたくなっちゃうんですよね。片足だけ試しに入れてみたら腰まで埋まった(汗)
突然広がった快晴の空 |
雲の上に顔を出したのか快晴の空が広がりました。とても眩しいです!太陽が顔を見せ気温がグングン上がってきているように見えますが、ただいま氷点下4度です。でも動くと暑い・・・(>_<)
15時00分 西穂山荘 |
しばらくすると西穂山荘が目に前に現れた!ここが今宵のテント泊をする場所です。
私が到着した後すぐにグループの集団が到着し、ざっと40名程はいたか?全員が山荘泊をするようで、やはり今日は混雑が見込まれますね。テント泊の方も20名程いましたので外も中も賑やかな一日になりそうです。既に祝杯を上げている登山者もいて楽しそうな声が響きます(^o^)/
雪掘り開始だ! |
山荘に幕営料1,000円を支払い、後は適当な場所を見つけ、テントを張るスペース確保のためスコップで雪を掘り返します。完全に雪かき状態でして、これがキツイ。縦2m×横1.5m×深さ60cm程度の穴を掘りますが、昼食を取っていない今の状況では作業が捗る訳がない!・・・ってことで山荘でおでんを食べエネルギー補給。西穂ラーメンは15時までの制約で注文できず(´□`。)
な、なんとか終わった・・・ |
エネルギー補給をしたら雪かきの続きをします。今日のテント場状況はこんな感じです。
掘り返して掘り返してようやくテントを張ることが出来ました。マジで疲れた(泣)
掘る理由ですが、風でテントが飛ばされるのを防ぐため。冬の風は夏以上に強烈で、雪で壁を作るか、または穴を掘ってその中にテントを張り風の影響を少なくするか等をしないと、吹き荒れた時は簡単に吹き飛ばされます。今回は新雪に近く脆いため穴を掘ってテントを張る方法を選択しました。
景色は最高ですね! |
夕刻の時間となり、幻想的な景色が広がってきました。他の方もデジカメやスマホで撮影していましたね。
辺り一面が銀世界でとても綺麗。本当に今日来てよかったと改めて思いました(^_^)
18時30分 夕食時の悲劇! |
夕食で鍋焼きうどんを食べようとコンビニで買ったまでは良かった。なんと器が破損しており器に火を当てるとボタボタと液漏れするではないか!これでは調理が出来ない!そして気温は氷点下11度となりテントの中に入っても寒い(>_<) 夕食抜きとなったため余計に寒く感じる。非常食に手を付けざる負えない。次からは鍋焼きうどんは止めて別の食材を検討しよう。この時の私は本気で落ち込んでいました。
19時30分 西穂山荘に一旦避難 |
気温がどんどん下がって外の気温が氷点下14度を記録。夕食も満足に取れない状態となり体がガチガチになってきたので山荘にエスケープして体温上昇に努めます。ここで他の登山者グループに混じり、ビールを飲みながら1時間ほど雑談をして楽しみました。おかげで気分も体調もだいぶ復活してきました。
20時45分 夜を何とかして耐えましょう |
本格的な寒さに対抗するべく、エアーマットを2重にして防寒着を6枚着込み、グローブも2重にして寝袋#2に潜り込みます。足はザックに突っ込んで体にホッカイロを貼りつける。これでダメなら終わりだ(笑) 最終的にはテント内は氷点下16度まで落ち込み、ペットボトルの水が凍結。電子製品はこの寒さに太刀打ちできないので衣服の中に入れて保温します。なんとかこれで眠ることができましたが、「あぁ~腹減ったよ~」
ラストの夕食の悲劇さえなければ本日はGoodで終わることができました(泣)
今回の失敗は教訓とし次に活かします。携帯電波状況はSBが3Gで4本、Docomoも4本。夜はシャレにならない寒さなので防寒着の不足は致命的です。ピッケル、アイゼン、スコップなどの先端が鋭い道具はテントの外に置いておきます。裂けたら悲惨です。靴はヒモの凍結を防ぐためテントの中へ。冬のテント泊は色々と苦労が絶えませんな。